輝かしい伝統をさらに栄光あるものに 学長 中村 勝範

第一回模擬裁判の様子
 平成国際大学の大学祭も、開学以来、今年で八回を迎える。日本の大学界は、いま少子化の中で、適者生存の嵐に見舞われている。本学は嵐の中に聳える喬木としては雄々しくその姿を際立たせている。  これはひとえに学園本部、教職員、学生三者がいったとなり、大学疾風怒濤の時代を勝者として乗り切ろうという努力の賜物である。  模擬裁判が本学大学祭に初めて登場したのは平成11年の第4回大学祭においてであった。開学四年目であり、四年生が最上級生で、卒業生をいまだ一回も送り出していなかった。つまり雛鳥のような平成国際大学で、数十年の法学部の歴史と伝統を持つ大学でも良く得ない模擬裁判を行うという自体が、無謀出るとする声が内外から聞こえていた。  模擬裁判は大成功であった。感動した。本学の学生に、これほど見事に成し遂げる執念があるとはこれまで思わなかった、と教職員の間から感嘆の声が沸き起こった。  出演した学生のみならず、手伝った学生たちは、われわれにはこんなにも強い活力があったのかと、新しい自分を発見したのだった。市民は、かくも高度な模擬裁判を演じうる学生を擁する大学を招致したことに満足した。近隣の大学から来場した教員、学生には新しい大学の初めての模擬裁判があまりにも堂々と演じ始められ、演じ続けられるのに見惚れ時のたつのを忘れていた。  爾来、平成国際大学平成法窓会の模擬裁判は、ただに漠然と裁判はこういうものだという形を披露するだけでなく、その時、その時の裁判制度に加味される新しい改革、変革を挿入してきている。今年は近く採用されるという「裁判員制度」導入し、それが採用された時の裁判を見せてくれるようである。若く、たくましく、勉学の精神に燃える本学のシンボルとなった模擬裁判である。第五回模擬裁判は第一回以来、受け継がれ、発展させてきた歴史・伝統にますます磨きのかかるものであると信ずる。
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