公判までのあらすじ

第一回模擬裁判の様子
 被告人である船越敬二郎は妻と子を持つ28歳の会社員である。被告人は、本件被告者である吉井奈緒子と不倫関係にあった。また、吉井奈緒子にも夫(吉井政史)がいた。  吉井政史は、船越氏と妻である奈緒子との不倫関係を知ると、7月20日に船越氏に、『拝啓、私はあなたが交際を行っている吉井奈緒子の夫です。あなたは奈緒子が既に既婚者であり、人妻であることをご存知でしょうか。いずれにいたしましても、あなたが私の家庭に立ち入り、すべてを破壊するような行為をしたのは明らかな事実です。私たちの家庭はあなた様のおかけで、もうめちゃくちゃです。正直に言いますと、あなたを非常に憎んでおります。どのような報復行為に訴えるかは、現時点では検討中であります。ただし、何もしないで事を済ませる気はありませんので、決してお忘れないように。では、お命を大切になさって下さい。』という内容の手紙を送りつけた。さらに7月25日にも『拝啓、先に貴殿に申し付けておいた通り、報復の準備が整いましたので、お知らせいたします。』という内容の手紙をおくりつけていた。  それから2か月後の9月13日に被害者宅が放火され、焼け落ちた家の中から夫婦の焼死体が見つかった。検視の結果、遺体には首を絞められた殺されたことが判明し、札事件として捜査された。  久喜署員は夫婦の焼死体が見つかってから次の深夜に船越氏を任意同行し翌朝9月15日、犯行を否認する被疑者の船越氏を逮捕し、取り調べは大門将刑事と鳩山刑事が行うこととなった。なお9月16日に当番弁護士として長濱弁護士が船越氏と面会するが、18日解任されることとなった。そして、取り調べを始めてから10日後の9月25日に取り調べでも、犯行を認める旨の自供をしている。  被告人は取り調べの段階で自白をしたが、その内容は警察により作られたものだと主張し、一転して容疑を否認した。検察側は事件の行った夜に、被告人と居酒屋であったと証言する女性や火災現場の近くで被告人を目撃した男性、さらに取調べを行った大門刑事を証人として喚問している。弁護士側は、過去に大門刑事に無実の罪を擦り付けられたと主張する男性を証人として喚問する。  果たして被告人船越敬二郎は警察に自白を強要されたのか?それとも不倫相手と脅してきた夫を絞殺したうえ放火したのか?これから始まる裁判によってその事実が明らかになる・・・・ 魅惑の果実シリーズ第6話「憂鬱な炎」より
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