第4回模擬裁判の開催に寄せて 佐藤栄学園 理事長 佐藤 栄太郎

第一回模擬裁判の様子
 第4回模擬裁判おめでとうございます。 平成国際大学は、「人間是宝」を建学の精神として掲げております。このような建学精神を、本学の若い皆さんが、入学から卒業までの間に体得し、実現していただけれるならば、創立者としてうれしく思います。  さて、本学の模擬裁判も平成11年に杮落しをして以来、早や4回目になりました。最初の模擬裁判が開催されたのは、ちょうどこの総合武道館に模擬法廷を設置した次の年だったのです。当時、そして現在においても、多分他大学からうらやましがられる全国随一の模擬法廷を作り上げたと自負しております。この模擬法廷は、本学をして北関東で群を抜く法学部に育てたいという私の志の結晶といっても過言ではありません。そして、この模擬法廷を縦横に駆使して私の意を体してくれたのが、平成法窓会の若き1期生の皆さんでした。忘れもしません、11月7日既に12時の開場時間には、来場の醸し出す独特の熱気が模擬法廷全体を包み込み、私の心は徐々に高鳴りました。「開学4年目の挑戦」を旗印に掲げた一期生の諸君の演技は、本当に玄人はだしで情熱に満ちていたのみならず、脚本もよく練られた緻密な出来映えで非常に感銘いたしました。しかも、平成法窓会の皆さんは、ゼミの枠を超えて、当日の裁判劇に先行して周到な勉強会を繰り返しており、さらに500もの座席を満席にする意気込みで多彩な広報活動を展開していたと聞いております。この模擬裁判という企画の実現およびそのプロセスの中にこそ、私が本学の法学教育に期待する主体性に実践性、血の総合化という本質的要素が余すところなく表現されていたのでした。  ところで、第1回模擬裁判は、本学の模擬法廷の杮落しとして挙行されたもので、当初、1回限りの予定だったそうですが、平成法窓会の皆さんは、その後も大学祭のたびごとに継続的に開催し、毎回300人以上の観客を集め、しかも作品には、回を重ねるごとに工夫が凝らされているのがわかります。例えば埼玉弁護士会との提携、近い将来、制度化されそうな裁判員を導入した脚本、30以上の近隣自治体から後援取得などですが、このような学生諸君の精進に呼応して、私どもとしてもはじめ3席しかなかった裁判席を、より一層応用性を発揮できるように昨年2席増設いたしました。  今年も、昨年に引き続いて、ご承知の通り法科大学院の創設と並んで、現在進行中の司法改革の柱となっている裁判員制度をテーマとして取り上げております。平成法窓会の皆さんが、日頃の成果を遺憾なく発揮し、模擬裁判を通じて観客の皆様の司法への関心を喚起してくれることを願っています。そして、次世代へと飛躍する模擬裁判を想像してほしいと思います。  ご来訪の方々には、学生諸君に忌憚のないご意見をお示しいただきますよう切望いたします。それが、学生諸君の有益な糧となって、将来の成長をたすけるものとなるでしょう。ご来場まことにありがとうございました。
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