参審制度って何?

第一回模擬裁判の様子
 参審制度という新しい裁判制度を知るうえで、改めて、現行の裁判制度を知っておく必要がある。現在の日本における裁判制度は職業裁判官のみが判決を下す制度になっている。このような制度に対して、一般市民が裁判に参加できるようにするべきだという声がある。法務省は裁判の民主化という観点から諸外国の裁判制度の検討している。その中には参審制度もある。  では、どのような制度が検討されているのかを紹介したいと思う。一つは英米を中心にして行われている陪審制度でひとつには今回取り上げる参審制度である。  最初に陪審制度について説明したいと思う。陪審制度はアメリカ・イギリスを中心に行われ、参審制度に比べ市民に開かれた制度である。詳しく説明したいと思う。陪審には被告人を起訴するかどうかを決める大陪審と審理に立会い評決を行う小陪審の二つがあるが、通常、陪審と呼ぶ時、小陪審のことを指す。日本においては大正12年から昭和18年の間、陪審法によって陪審制度が存在していたが、昭和18年以降停止状態になっている。この法律の下では裁判長の権限が強く、一般市民の権利が十分に保障されていなかった。  我が国の職業裁判官のみによる裁判制度では、厳格ではあるが、民主的ではない。陪審制度では民主的ではあるが、判断が不明確であるといった特徴を持っており、そうしたものの折衷的な制度として参審制度が挙げられる。参審制度は職業裁判官と一般市民である参審員とが合議体をなして審理に当たるという制度である。この制度では一般市民の参加の度合いをどのようにするかによって各国ごとに違いが現れる。参審員がいなくてもよいと言った状況にある。それに対して、同じ参審制度を採っているスウェーデンでは一般市民である参審員が何度も再任されるため、参審員がプロ化してしまうという問題が存在する。  参審員制度は陪審員制度と職業裁判官のみによる裁判制度の折衷なので両方のよい点を有するが、先程、述べたような欠点が出てくる制度でもある。いずれにしても参加審判制度をどのように運用数するかによって長所、短所の現れ方が異なってる制度なのである。
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