公判までのあらすじ

第一回模擬裁判の様子
 被告人長濱利晴は、埼玉県浦和市(事件当時、さいたま市は誕生していなかった)に住む25歳の弁護士である。彼らは平成某年、6月7日午後2時ごろ大雨降る中、浦和市内にある「塚島金融株式会社」を夫と共同経営する塚島麗子(被害者)と、自分の経営する弁護士事務所の資金繰りの話をするために会うことになった。しかし、被害者は塚島金融の事務所で刺殺され遺体で発見された。警察は事件当時、最後に被害者とあっていたと思われる被告人を殺人の容疑で逮捕した。  犯行に使われた凶器は彫刻を施した鞘に収まった小刀で、凶器からは被告人の指紋が検出され、さらに事件現場近くで被告人によく似た人物を見たという目撃証言も存在し、事件は被告人の犯行とみて間違いないと思われた。しかし、被告人は一貫して犯行を否認し続け、弁護人は目撃証言の不正確さを主張する。  果たして被告人は本当に殺人を行ったのであろうか?検察官は被告人の有罪を立証できるのであろうか?弁護人は被告人の無罪を導けるのであろうか? 魅惑の果実シリーズ第三話「夕立の中の幻想」より  
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